はじめに
今年、令和元年、2020年で第二次世界大戦、大東亜戦争、太平洋戦争が日本の降伏により終戦をして75年目になります。戦われた方々や戦時中を生き延びられた方々もすでに多くの方々が鬼籍に入られています。当時の「戦」の記憶は遠くなりつつあり、アメリカと日本の民衆がともに命のやり取りをしたことを知らない世代もあるようです。教科書で学んでも知りえない記憶があります。幸いにも、私の幼いころは周りの大人たちが時に触れ、「戦」を語ってくれました。この本は「鉄血勤王隊」として、沖縄県立第一中学校五年、18歳で沖縄戦に参戦した宮城真一氏の入所先である埼玉県志木市の「あったかの家」特別養護老人ホームを訪れて、2011年から2012年に渡ったインタビューをもとに書きました。
2013年に亡くなられた氏の若き頃の熱い思いが、願わくば読者の皆様に伝われば幸甚です。
宮城さんへの感謝を込めて 池田一仁