あとがき

私が一中鉄血勤皇隊の生存者で齢85歳の宮城真一氏を訪ねたのは2011年真冬の1月31日のことである。埼玉県にある特別老人養護施設に入所されている氏はパーキンソン病に侵された不自由な体にもかかわらず、来意を告げると快くお会いしていただき、車椅子の上に座った体を斜めに傾けながら、その不恰好な姿を謝しながらもしっかりとした口調で私の質問に答えて頂いた。沖縄戦当時、宮城氏は満18歳、沖縄県立第一中学校の五年生で鉄血勤皇隊へ参加し、激しい沖縄戦を潜り抜けた「戦世(いくさゆ)」の証人である。その後、同じ2011年の8月26日に二回目、そして2012年の1月31日に三回目と、合計12時間以上にも及ぶインタビューに応じてくださった宮城氏にただひたすら感謝するとともに、拙い文章ではありますが、ここにこうしてまとめることができましたのも、恐れずにいえば、宮城氏が私に対して同郷の誼としての愛情を常に与えてくださったからであります。ありがとうございました。

2012年10月26日

故郷沖縄市にて 池田一仁